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抗Tie2抗体およびその使用
[특허 요약] [1] 本発明は、Tie-2に対する抗体またはその抗原結合フラグメント、それらをコードする核酸、前記核酸を含むベクター、前記ベクターを用いて形質転換された細胞、前記抗体またはその抗原結合フラグメントを製造する方法、および血管新生疾患を予防または処置するための医薬組成物に関する。 [2] [3] 血管新生は、生物の発生、成長、維持および恒常性のなかで、様々な調節因子によって動的に発生する。この過程で新たに形成された血管は、その周辺の細胞では、栄養素、酸素およびホルモンなどの様々な生体材料の輸送チャネルとして機能する。機能的および構造的に異常な血管は、様々な疾患の発症および進行の直接的または間接的な原因である。腫瘍血管は、その機能上および構造上の欠陥のために低酸素症を悪化させ、結果的に腫瘍の進行および他の組織への転移をもたらし、また腫瘍塊の中心への抗がん剤の不十分な送達をもたらすためである。血管の欠陥は、がんに加えて、他の様々な疾病および状態でも見られる。その例としては、様々な眼の疾患(例えば糖尿病性黄斑浮腫、湿性加齢性黄斑変性症)、ウイルス感染症および敗血症などの急性炎症反応が挙げられる。したがって、病的な血管を正常化させることができる治療薬が利用可能であれば、それを、血管異常を有する様々な患者の処置に適用できる。 [4] アンジオポエチンファミリーは、血管の形成および維持に重要な役割を果たし、4つのアンジオポエチン(Ang1、Ang2、Ang3およびAng4)で構成される。アンジオポエチン-1(Ang1)は、血管内皮細胞の表面に存在するTie2受容体に結合して、Tie2受容体をリン酸化および活性化し、結果的に、血管の安定化をもたらす。他方、アンジオポエチン-2(Ang2)は、Tie2受容体に結合するが、アンタゴニストとして作用してTie2受容体の不活性化を誘発し、結果的に、血管の不安定化および血管の漏出を引き起こす。Ang2の発現レベルは、がん患者、眼の疾患、ウイルスおよび細菌感染症、ならびに炎症性疾患の血液で非常に増加していることが報告された(Saharinen P等、2017,Nature Review Drug Discovery)。しかしながら、Ang2は、リンパ管の形成および維持を含むいくつかの過程では、Tie2受容体の活性化を誘導するアゴニストとしても作用することが知られており、状況に応じて様々な機能を果たすと考えられている。 [5] これまでに、様々な抗Ang2抗体の開発および臨床試験が、多くのバイオ医薬品企業(例えば米国特許第7,658,924号および米国特許第8,987,420号)によって集中的に行われてきた。これらのAng2抗体はAng2のTie2への結合を阻害し、これらのAng2中和効果が最終的に新しい血管の形成を妨げることを示した。これらの抗Ang2抗体の抗血管新生および抗がん活性は、多くの前臨床モデルで実証され、様々な抗Ang2抗体が様々ながん患者で臨床試験されている。しかしながら、それらの抗がん作用は不十分であることが実証されている。例えばアムジェンが実施した第3相臨床試験では、卵巣がん患者におけるAng2抗体の抗がん作用はわずかに過ぎないことが示された(Marth C等、2017,Eur.J.Cancer)。がんモデルに加えて、Ang2中和抗体であるネスバクマブは眼の患者で試験されたが、その臨床第2相併用試験でEylea(抗VEGF)の有効性を改善できなかった。 [6] 前記したAng2中和アプローチとは対照的に、直接的なTie2活性化が、血管新生を阻害し、血管の透過を抑制するための代替アプローチとしても検討されている。Tie2受容体に直接結合し、Tie2のリン酸化および活性化を誘導する組換えタンパク質も開発され、多くの前臨床のがんおよび眼のモデルにて試験された。その例には、COMP-Angl(Cho等、2004,PNAS)およびVasculotide(David S等、2011,Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol)が挙げられる。これらの薬剤は、抗血管新生および抗透過活性を示したが、非常に短い半減期および不安定な物理化学的特性を有する。さらに、リン酸化Tie2からリン酸基を除去することによってTie2を不活性化するホスファターゼVE-PTPの阻害剤として、小分子化合物(AKB-9778)が開発された(Goel S,2013,J Natl Cancer Inst)。この化合物は、VE-PTPを阻害することによって間接的にTie2活性を増加させるが、他の受容体も活性化するという欠点がある(Frye M,2015,J Exp.Med、Hayashi M,2013,Nature Communication、Mellberg S等、2009,FASEB J.)。さらに、アゴニストTie2抗体が開発された(米国特許第6365154号、米国特許出願公開第20170174789号)。これらの抗体は内皮細胞の生存を増加させ、血管漏出を抑制した。興味深いことに、ハーブ抽出物がTie2活性を活性化することを示し、スキンケア化粧品との使用が主張された(例えば日本出願公開第2011102273号、日本出願公開第2018043949号、日本出願公開第2015168656号)。 [7] この技術的背景のもと、本願発明者らは、Tie2に特異的に結合する抗体を開発するための努力を行った。その結果、本発明者らは、親和性でもって結合するTie2抗体を開発し、これらのTie2抗体がTie2受容体のリン酸化および活性化を誘導することにより、血管新生疾患の治療薬として役立つことを確認し、本発明を完成させた。 米国特許第7,658,924号 米国特許第8,987,420号 日本出願公開第2011102273号 日本出願公開第2018043949号 日本出願公開第2015168656号 Saharinen P等、2017,Nature Review Drug Discovery Marth C等、2017,Eur.J.Cancer Cho等、2004,PNAS David S等、2011,Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol Goel S,2013,J Natl Cancer Inst Frye M,2015,J Exp.Med Hayashi M,2013,Nature Communication Mellberg S等、2009,FASEB J.[8] [9](発明の要約) [10] 本発明の目的は、新規の抗Tie2抗体またはその抗原結合フラグメントを提供することである。 [11] 本発明の別の目的は、前記抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする核酸を提供することである。 [12」 本発明の別の目的は、前記核酸を含むベクター、前記ベクターで形質転換された細胞、およびその製造方法を提供することである。 [13] 本発明の別の目的は、前記抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、血管新生疾患を予防または処置するための組成物を提供することである。 [14] 本発明の別の目的は、前記抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組成物、および血管新生疾患のための他の治療薬との同時投与のための組成物を提供することである。 [15] 上記目的を達成するために、本発明は、配列番号2の配列を含むIg3-FNIII(1-3)ドメインに結合する抗Tie2抗体またはその抗原結合フラグメントを提供する。 [16] 具体的には、本発明は、配列番号3~5のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを含む重鎖可変領域、配列番号6~8のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域;配列番号13~15のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを含む重鎖可変領域、配列番号16~18のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域;配列番号23~25のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを含む重鎖可変領域、配列番号26~28のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域;配列番号33~35のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを含む重鎖可変領域、配列番号36~38のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域;または配列番号43~45のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを含む重鎖可変領域、配列番号46~48のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域、を含む抗Tie2抗体またはその抗原結合フラグメントも提供する。 [17] 本発明はまた、前記抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする核酸を提供する。 [18] 本発明はまた、前記核酸をコードするベクターを提供する。 [19] 本発明はまた、前記ベクターを用いて形質転換された細胞を提供する。 [20] 本発明はまた、前記抗体またはその抗原結合フラグメントの製造方法であって、以下の工程:(a)その細胞を培養するための工程;および(b)前記細胞からの前記抗体またはその抗原結合フラグメントの回収工程を含む、製造方法を提供する。 [21] 本発明はまた、前記抗体またはその抗原結合フラグメントを有効成分として含む、血管新生関連の疾患を予防または処置するための組成物を提供する。 [22] 本発明はまた、前記抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、他の血管新生疾患治療薬との同時投与のための組成物を提供する。 [23] [24] 図1は、抗Tie2抗体によって誘導されるAktリン酸化に関する分析結果である。HUVECを6時間の血清飢餓状態とし、COMP-Ang1(CA1、0.5μg/ml)または抗Tie2抗体(11C4、4A4、3B2、3E12および3H7)とともに30分間インキュベートした。細胞溶解物をSDS-PAGE/ウエスタンブロッティングに供し、ブロットを抗ホスホAkt(S473)または抗Akt抗体用いて調べた。 [25] 図2は、抗Tie2抗体3H7によって引き起こされる用量依存的なTie2リン酸化(pTie2)についての分析結果である。Tie2リン酸化を誘導する3H7抗体の能力は、免疫沈降およびウエスタンブロッティング分析によって調べた。血清飢餓HUVECを様々な濃度の3H7抗体とともに30分間インキュベートした。コントロールとして、HUVECをAng2/コントロールAb混合物とともにインキュベートした。その細胞溶解物を抗Tie2抗体で免疫沈降させた後、SDS-PAGE/ウエスタンブロッティング分析を行った。Tie2リン酸化は、マウス抗ホスホチロシン(pY)抗体4G10によって調べた。 [26] 図3は、抗Tie2抗体3H7によって引き起こされるTie2エンドサイトーシスおよびFOXO1移行に関する結果である。HUVECを6時間血清飢餓状態とし、3H7またはAng2(A2)およびコントロール抗Ang2抗体(コントロールAb、1μg/ml)とともに30分間インキュベートした。固定化後、HUVECをDAPI(青)、抗Tie2抗体(緑)、および抗FOXO1抗体(赤)で染色し、クラスター化したTie2受容体およびFOXO1の局在を調べた。矢頭は3H7によってエンドサイトーシスされたTie2受容体を示す。 [27] 図4は、VEGFまたはTNF-α誘導型血管透過性の3H7による阻害に関する結果である。HUVECをトランスウェルチャンバーに播種し、3日間増殖させた。HUVECを100%コンフルエンスでAng2(A2、1μg/ml)、Ang2およびコントロールAb(A2+コントロールAb、1μg/ml)または3H7(1μg/ml)とともに30分間前処理し、そしてVEGF(500ng/ml)を用いて45分間(A)またはTNF-α(100ng/ml)で22時間(B)、上部チャンバーにて処理した。血管透過性は、FITC-デキストランを上部チャンバーに20分間添加した後、下部チャンバーのFITC蛍光を測定することによって評価した。値は平均±SDである。一元配置分散分析(one-way ANOVA)にて、*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。 [28] 図5は、Tie2単独またはTie2/3H7コンプレックスを水素/重水素(H/D)交換質量分析にて試験した場合の、重水素取り込みの有意差領域を示すヒートマップに関する結果である。H/D交換質量分析のデータを用いて、抗Tie2抗体3H7の非存在下または存在下、0.333分、10分、60分および240分でのhTie2抗原についての残基あたりの重水素取り込みのヒートマップを作成した。カラースケールは、個々の時間でのTie2単独とTie2/3H7混合物との間の残基あたりのH/D交換のパーセンテージを示す。赤は重水素交換が増加した領域を示し、青は取り込みがないことを示す。 [29] 図6は、Tie2上の3H7結合エピトープを示す概略図である。H/D交換質量分析によって分析されたhTie2抗原上の抗Tie2抗体3H7結合エピトープ(赤)を、PyMolソフトウェアを用いてhTie2 FNIII(1-3)結晶構造(PDB:5UTK)の画像上で視覚化した。 [30] 図7は、ヒト化抗Tie2抗体によって誘導されるAkt(pAkt)のリン酸化に関する結果である。血清飢餓HUVECをヒト化抗Tie2抗体とともに30分間インキュベートした。その後、その細胞溶解物をSDS-PAGE/ウエスタンブロッティングに供し、ブロットを抗ホスホ-Akt(S473)または抗Akt抗体でプローブした。 [31] 図8は、原発性開放角緑内障のマウスモデルにおけるヒト化Tie2抗体3H7H12G4によるSC面積の増加およびIOPの減少に関する結果である。アンジオポエチン-1および-2の両方の誘導性欠失のためのタモキシフェン投与を、8週齢のA1:A2iΔ/Δマウスにて実施した。3H7H12G4(片眼、5mg/ml溶液の1μl注射)およびFc(反対側の眼、5mg/ml溶液の1μl注射)の眼内投与を12週齢時に行った。眼圧(IOP)の定期的な測定を12週齢、13週齢および14週齢に実施した。CD144+SC面積とCD144+SC内のProx1およびTie2免疫染色の強度を、3H7H12G4投与の2週間後に測定した。スケールバー、100μm。n=各グループで5匹。値は平均±SDである。クラスカル・ウォリス(Kruskal-Wallis)検定、その後のテューキー(Tukey)のランク付きHSD検定による、*p<0.05。 [32] 図9は、レーザー誘導CNVモデルにおいて硝子体内注射された3H7H12G4によるCNV(Choroidal Neo-Vascularization:脈絡膜血管新生)および血管漏出の抑制に関する結果である。抗体の硝子体内投与(5mg/ml溶液の1μl注射)はレーザー光硬化の7日後に実施した。CD31+CNV体積を測定し、CNV周囲の漏出領域を、レーザー光硬化の6日後および/または14日後のFA画像にて測定した強蛍光の合計面積をICGA画像にて測定したCNV合計面積で割ることで計算した。n=各グループで11匹。値は平均±SDである。一元配置分散分析、その後のスチューデント・ニューマン・クールズ事後検定による、*p<0.05、***p<0.001。対応のあるスチューデントのt検定による、##p<0.01、###p<0.001。 [33] 図10は、CNV領域内の内皮細胞における3H7H12G4およびCD31の共局在に関する結果である。3H7H12G4の皮下投与はレーザー光硬化の1日後に実施した。CNVの内皮細胞における3H7H12G4およびCD31の共局在は、レーザー光硬化の2日、4日および8日後に抗ヒトIgG二次抗体によって直接的に検出した。 [34] 図11は、皮下注射した3H7H12G4による抑制に関する結果である。3H7H12G4の皮下投与はレーザー光硬化後の1日目に実施した。CD31+CNV体積はレーザー光硬化の8日後に測定した。スケールバー、100μm。n=各グループで10匹。値は平均±SDである。対応のないスチューデントのt検定による、***p<0.001。 [35] [36] 本発明の詳しい説明および好ましい実施形態 [37] 別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が関係する分野の当業者によって理解されるものと同じ意味を有する。 [38] 本出願の発明者らは、Tie2抗体が、配列番号2の配列を含むTie2 Ig3-FNIII(1-3)ドメインに結合することによりTie2活性を増加させる剤であることを確認した。 [39] Tie2は、血管の分化および安定化を促進し、血管にて高発現される受容体タンパク質であり、Tie2受容体は活性化されると、がん血管を安定化し、それは周囲の支持細胞を集めることを可能にする。本発明に係る抗体またはその抗原結合フラグメントにより、がん血管での活性型Tie2はがん血管を正常化し、腫瘍内の増加した低酸素症を排除し、腫瘍への血流を増加させることによって十分な酸素を供給し、そして他の抗がん剤の送達および免疫細胞の透過を増加させる。 [40] この点に関して、本発明は、配列番号2の配列を含むTie2 Ig3-FNIII(1-3)ドメインに結合するTie2抗体またはその抗原結合フラグメントに関する。 [41] 本明細書で使用される用語「抗体」は、Tie2に特異的に結合する抗体を意味する。本発明の範囲において、Tie2に特異的に結合する完全抗体に加えて、前記抗体分子の抗原結合フラグメントも含む。 [42] 完全抗体は、2つの全長軽鎖および2つの全長重鎖の構造を有し、各軽鎖はジスルフィド結合によって重鎖に連結されている。重鎖の定常領域には、ガンマ(γ)、ミュー(μ)、アルファ(α)、デルタ(δ)およびイプシロン(ε)タイプがあり、サブクラスにはガンマ1(γ1)、ガンマ2(γ2)、ガンマ3(γ3)、ガンマ4(γ4)、アルファ1(α1)およびアルファ2(α2)がある。軽鎖の定常領域にはカッパ(κ)タイプおよびラムダ(λ)タイプがある。 [43] 抗体の抗原結合フラグメントまたは抗体のフラグメントは、抗原に結合することができるフラグメントを意味し、Fab、F(ab’)、F(ab’)2およびFvを含む。抗体フラグメントの中で、Fabは、軽鎖および重鎖の可変領域、軽鎖の定常領域、および重鎖の1番目のCH1を有する構造を含む、1つの抗原結合部位を有する。 [44] Fab’は、CH1ドメインのC末端に1個または複数個のシステイン残基を含むヒンジ領域を有する点でFabと異なる。F(ab’)2抗体は、Fab’のヒンジ領域のシステイン残基間のジスルフィド結合の形成によって生成される。Fvは、重鎖の可変領域および軽鎖の可変領域のみを有する最小の抗体フラグメントである。二本鎖Fv(二本鎖Fv)は、重鎖可変領域と軽鎖可変領域との間の非共有結合によって形成され、および一本鎖Fv(scFv)は、一般に、重鎖の可変領域と軽鎖の可変領域との間で共有結合のペプチドリンカーを通じて形成されるか、またはそのC末端で直接的に二本鎖Fvのような二量体様構造を形成することによって連結される。このフラグメントは、タンパク質加水分解酵素によって得ることができ(例えば完全抗体をパパインで制限消化することでFabを取得でき、ペプシンで切断することでF(ab’)2を取得できる)、また、遺伝子操作技術によって作製することができる。 [45] 1つの実施形態において、本発明に係る抗体は、Fvの形態(例えばscFv)または完全抗体の形態である。さらに、重鎖の定常領域は、ガンマ(γ)、ミュー(μ)、アルファ(α)、デルタ(δ)またはイプシロン(ε)のいずれかのアイソタイプから選択されてよい。例えば定常領域は、ガンマ1(IgG1)、ガンマ3(IgG3)またはガンマ4(IgG4)である。軽鎖定常領域はカッパまたはラムダタイプであってよい。 [46] 本発明における用語「重鎖」は、全長の重鎖またはそのフラグメントを意味し、それは可変領域ドメインVHと、3つの定常領域ドメインCH1、CH2およびCH3を含み、抗原特異性を提供するのに十分な可変領域をともなうアミノ酸配列を有する。さらに、本発明における用語「軽鎖」は、全長の軽鎖またはそのフラグメントを意味し、それは可変領域ドメインVLと、定常領域ドメインCLを含み、抗原特異性を提供するのに十分な可変領域をともなうアミノ酸配列を有する。 [47] 本発明の抗体は、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv(scFV)、一本鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、ジスルフィド結合Fv(sdFV)および抗イディオタイプ(抗Id)抗体、または上記の抗体のエピトープ結合フラグメント、およびその類似物を含むが、これらに限定されない。 [48] モノクローナル抗体は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体であり、すなわち、可能性のある自然突然変異を除いて微量で存在し得る集団中の同じ特有の抗体を意味する。モノクローナル抗体は非常に特異的であり、単一の抗原部位に対して誘導される。典型的に異なるエピトープによって指示される異なる抗体を含む従来の(ポリクローナル)抗体とは対照的に、モノクローナル抗体はそれぞれ単一の決定因子によって指示される。 [49] 「エピトープ」は、抗体が特異的に結合できるタンパク質決定基を意味する。エピトープは通常、化学的に活性な表面分子の群であり、例えばアミノ酸または糖の側鎖で構成され、一般に特定の電荷特性並びに特定の三次元構造特性を有する。立体的エピトープおよび非立体的エピトープは、変性溶媒の存在下で前者との結合を失うが、後者との結合は失わない。 [50] そのエピトープが水素/重水素交換を通じて同定されるとき、本発明に係るTie2抗体またはその抗原結合フラグメントは配列番号1の配列を構成するTie2の633~644のアミノ酸TLSDILPPQPENおよび/または713~726のアミノ酸FAENNIGSSNPAFSに結合する。 [51] 非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト抗体(例えばドナーまたはソース抗体)由来の1個または複数個のアミノ酸配列(例えばCDR配列)を含む、非ヒト免疫グロブリンから誘導された最小配列を有するキメラ抗体である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(受容体抗体)であり、その超可変領域は、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類(受容体抗体)の超可変領域由来の残基で置き換えられ、所望の特異性、親和性およびレシピエントの超可変領域由来の残基の能力を有する。ヒト化に関して、レシピエントヒト抗体のフレームワークドメイン(FR)の残基内の可変領域の1つまたは複数を、非ヒト種のドナー抗体による対応する残基で置き換えることができる。これにより、グラフトされたCDRの適切な3次元構成が維持され、それにより、親和性および抗体の安定性が向上し得る。ヒト化抗体は、例えば抗体またはドナー抗体に現れない新しい残基を含めて、抗体の追加の性能をさらに洗練することができる。 [52] ヒト免疫グロブリンに由来する分子としての「ヒト化抗体」は、相補的決定領域および構造領域を含む抗体を構成するアミノ酸配列全体が、ヒト免疫グロブリンから構成されることを意味する。 [53] 所望の生物学的活性を示す任意の「キメラ」抗体(免疫グロブリン)並びに前記抗体のフラグメントを含み、キメラ抗体は、重鎖および/または軽鎖の一部が特定の種に由来するか、またはそのサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一もしくは相同であるが、残りの鎖が他の種に由来するか、または他の抗体クラスに属し、もしくはそのサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一である。 [54] 本出願の特定の例に関し、マウス由来の11C4、4A4、3B2、3E12および3H7抗体が産生され、ドナー抗体としての3H7抗体のCDRをグラフト化し、ヒト化3H7H11G4、3H7H12G4、3H7H21G4または3H7H22G4抗体が産生された。 [55] 本明細書で使用される「抗体可変ドメイン」は、相補性決定領域(CDR;すなわちCDR1、CDR2およびCDR3)とフレームワーク領域(FR)のアミノ酸配列を含む抗体の軽鎖および重鎖の一部とを示す。VHは重鎖の可変ドメインを示す。VLは軽鎖の可変ドメインを示す。 [56] 「相補性決定領域」(CDR;すなわちCDR1、CDR2およびCDR3)は、抗原結合に必要な抗体の可変ドメインのアミノ酸残基を示す。各可変ドメインは通常、CDR1、CDR2およびCDR3として識別される3つのCDR領域を含む。 [57] 1つの実施形態では、Tie2抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号3~5のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを含む重鎖可変領域、配列番号6~8のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域を含み得る; [58] 配列番号13~15のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを含む重鎖可変領域、配列番号16~18のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域; [59] 配列番号23~25のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを含む重鎖可変領域、配列番号26~28のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域; [60] 配列番号33~35のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを含む重鎖可変領域、配列番号36~38のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域; [61] 配列番号43~45のアミノ酸配列を有する重鎖CDRを含む重鎖可変領域、配列番号46~48のアミノ酸配列を有する軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域。 [62] 「フレームワーク領域」(FR)は、CDR残基以外の可変ドメイン残基である。各可変ドメインには通常、FR1、FR2、FR3およびFR4として識別される4つのFRがある。 [63] Tie2抗体は一価または二価であり、一本鎖または二本鎖を含む。機能的には、Tie2抗体の結合親和性は10-5Mから10-12Mの範囲にある。例えばTie2抗体の結合親和性は、10-6M~10-12M、10-7M~10-12M、10-8M~10-12M、10-9M~10-12M、10-5M~10-11M、10-6M~10-11M、10-7M~10-11M、10-8M~10-11M、10-9M~10-11M、10-10M~10-11M、10-5M~10-10M、10-6M~10-10M、10-7M~10-10M、10-8M~10-10M、10-9M~10-10M、10-5M~10-9M、10-6M~10-9M、10-7M~10-9M、10-8M~10-9M、10-5M~10-8M、10-6M~10-8M、10-7M~10-8M、10-5M~10-7M、10-6M~10-7Mまたは10-5M~10-6Mである。 [64] Tie2抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み得る; [65] 配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; [66] 配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号31のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; [67] 配列番号39のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号41のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; [68] 配列番号49のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号51のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; [69] 配列番号53のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号54のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; [70] 配列番号57のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号58のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; [71] 配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号62のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; [72] 配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。 [73] 本発明の抗体または抗体フラグメントは、Tie2を特異的に認識できる範囲で、その生物学的に同等な物を含み得る。例えばそれは抗体の結合親和性および/または他の生物学的特性をさらに改善するために、アミノ酸配列に変化を導入することができる。そのような修飾には、例えば抗体のアミノ酸配列残基の欠失、挿入および/または置換が含まれ得る。これらのアミノ酸のバリエーションは、アミノ酸側鎖の疎水性、親水性、電荷、サイズなどのアミノ酸置換基の相対的な類似性に基づいて成される。アミノ酸側鎖置換基のサイズ、形状およびタイプの分析により、アルギニン、リジンおよびヒスチジンはすべて正に帯電した残基であり;アラニン、グリシンおよびセリンは類似のサイズを有し;フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは類似の形状を有することが知られています。したがって、これらの考慮事項に基づいて、アルギニン、リジンおよびヒスチジン;アラニン、グリシンおよびセリン;フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは、生物学的に機能的に同等な物であると言える。 [74] 生物学的に同等な活性を有する上記の変異を考慮すると、本発明の抗体のアミノ酸配列または同抗体をコードする核酸分子は、配列番号の配列および実質的な同一性を示す任意の配列を含むと解釈される。実質的な同一性は、本発明に記載の配列と任意の他の配列とを可能な限り整列させ、当技術分野で用いられ一般的に使用されるアルゴリズムによって分析する場合に、少なくとも90%の相同性、最も好ましくは少なくとも95%の相同性、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列相同性を意味する。配列比較のためのアラインメント方法は当技術分野で既知である。NCBI Basic Local Alignment Search Tool(BLAST)はNBCIなどからアクセスでき、インターネット上のblastp、blasm、blastx、tblastnおよびtblastxなどの配列分析プログラムと組み合わせて使用することができる。BLSATは、www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/にてアクセスできる。このプログラムを用いる配列相同性比較法は、www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/blast_ help.htmlにて見つけることができる。 [75] これに基づいて、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントは、本明細書中で特定された、または全ての配列と比較した場合に、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはより高い相同性を有し得る。この相同性は、当技術分野で既知の方法による配列比較および/またはアラインメントによって決定することができる。例えば配列比較アルゴリズム(すなわちBLASTまたはBLAST2.0)、手動のアラインメント、目視での検査を用いて、本発明の核酸またはタンパク質のパーセント配列相同性を決定することができる。 [76] 別の態様では、本発明は、抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする核酸に関する。 [77] 核酸は、配列番号10、12、20、22、30、32、40、42、50、52、55、56、59、60、63、64、67、または68の配列を含み得る。 [78] 抗体またはその抗原結合フラグメントは、本発明の抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする核酸を単離することによって組換え的に産生することができる。核酸を単離し、それを複製可能なベクターに挿入することによるさらなるクローニング(DNA増幅)を行うことができ、またはさらなる発現を行うことができる。これに基づいて、本発明は別の局面において核酸を含むベクターに関する。 [79] 「核酸」は、DNA(gDNAおよびcDNA)およびRNA分子を包括的に包含することを意味し、核酸の基本構造単位であるヌクレオチドは、本質的にヌクレオチド、ならびに修飾された糖または塩基部分を有する類似体を含む。本発明の重鎖および軽鎖可変領域をコードする核酸の配列を修飾することができる。修飾は、ヌクレオチドの付加、欠失または非保存的もしくは保存的置換を含む。 [80] 抗体をコードするDNAは、従来のプロセスを使用して(例えば重鎖および軽鎖をコードするDNAに特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に分離または合成される。多くのベクターを利用することができる。ベクター成分は、一般に、以下の1つまたは複数を含むが、これらに限定されない:シグナル配列、複製起点、1つまたは複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーターおよび転写終結配列。 [81] 本明細書で使用される用語「ベクター」は、宿主細胞における目的の遺伝子を発現するための手段として、プラスミドベクター、コズミドベクター、バクテリオファージベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクターおよびアデノ関連ウイルスベクターなどのウイルスベクターを含む。ベクター中の抗体をコードする核酸は、プロモーターに作動可能に連結されている。 [82] 「作動可能に連結された」は、核酸の発現制御配列(例えばプロモーター、シグナル配列または転写調節因子結合部位の配列)と異なる核酸配列との間の機能的連結を意味し、それにより、前記制御配列はその別の核酸配列の転写および/または翻訳を制御する。 [83] 宿主が原核細胞の場合、転写を処理できる強力なプロモーター(例えばtacプロモーター、lacプロモーター、lacUV5プロモーター、lppプロモーター、pLλプロモーター、pRλプロモーター、rac5プロモーター、ampプロモーター、recAプロモーター、SP6プロモーター、trpプロモーターおよびT7プロモーターなど)、翻訳開始のためのリボソーム結合部位、および転写/翻訳終結配列が一般的に含まれる。加えて、例えば宿主が真核細胞の場合、哺乳動物細胞のゲノムに由来するプロモーター(例:メタロチオニンプロモーター、β-アクチンプロモーター、ヒトヘモグロビンプロモーターおよびヒト筋肉クレアチンプロモーター)または哺乳類ウイルスに由来するプロモーター(例:アデノウイルス後期プロモーター、バクシニアウイルス7.5Kプロモーター、SV40プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、HSVのtkプロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)プロモーター、HIVのLTRプロモーター、モロニーウイルスプロモーター、エプスタインバーウイルス(EBV)プロモーター、およびラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター)を使用することができ、一般に、ポリアデニル化配列を転写終結配列として含めることができる。 [84] 幾つかの場合で、ベクターを、発現した抗体の精製を容易にするための他の配列と融合させてよい。融合される配列には、例えばグルタチオンS-トランスフェラーゼ(Pharmacia社、米国)、マルトース結合タンパク質(NEB社、米国)、FLAG(IBI社、米国)および6×His(ヘキサヒスチジン、Qiagen社、米国)がある。 [85] ベクターは、選択マーカーとして当技術分野で一般的に使用される抗生物質耐性遺伝子、例えばアンピシリン、ゲンタマイシン、カルベニシリン、クロラムフェニコール、ストレプトマイシン、カナマイシン、ジェネティシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリンに対する耐性遺伝子を含む。 [86] 別の態様では、本発明は、上記ベクターで形質転換された細胞に関する。本発明の抗体を産生するために使用される細胞は、原核生物、酵母および高等真核細胞であってよいが、これらに限定されない。 [87] 原核生物宿主細胞、例えば大腸菌、バチルス・サブチリスおよびバチルス・チューリンゲンシスなどのバチルス株、ストレプトミセス、シュードモナス(例えばシュードモナス・プチダ)、プロテウス・ミラビリスおよびスタフィロコッカス(例えばスタフィロコッカス・カルノサス)を使用することができる。 [88] しかしながら、動物細胞における関心が最も大きく、有用な宿主細胞株の例には、COS-7、BHK、CHO、CHOK1、DXB-11、DG-44、CHO/-DHFR、CV1、COS-7、HEK293、BHK、TM4、VERO、HELA、MDCK、BRL3A、W138、HepG2、SK-Hep、MMT、TRI、MRC5、FS4、3T3、RIN、A549、PC12、K562、PER.C6、SP2/0、NS-0、U20SまたはHT1080があるが、これらに限定されない。 [89] 別の態様では、本発明は(a)細胞の培養のためのステップ;および(b)培養細胞から抗体またはその抗原結合フラグメントを回収する工程を含む、抗体およびその抗原結合フラグメントを製造する方法に関する。 [90] 細胞は様々な培地で培養することができる。任意の市販の培地を制限なく使用することができる。当業者に既知の他のすべての必須サプリメントを適切な濃度で含めることができる。温度、pHなどの培養条件、および選択された宿主細胞はすでに用いられており、これは当業者には明らかであろう。 [91] 抗体またはその抗原結合フラグメントの回収は、例えば遠心分離または限外濾過を使用して、および例えばアフィニティークロマトグラフィーなどを使用して、不純物を除去することによって行うことができる。更なる追加の精製技術、例えば陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびその類似技術を用いることができる。 [92] 別の態様では、本発明は、活性成分である抗体の有効成分またはその抗原結合フラグメントを含む血管新生疾患を予防または治療するための組成物に関する。 [93] 血管新生は、既存の血管からの新しい血管の形成または成長を意味する。「血管新生関連疾患」は、血管新生の発生または進行に関連する疾患を意味する。疾患が抗体で治療できる場合、その疾患は、制限なく、血管新生関連疾患の範囲に含まれ得る。血管新生関連疾患の例は、がん、転移、糖尿病性網膜症、未熟児の網膜症、角膜移植片拒絶、黄斑変性症、血管新生緑内障、全身性紅皮症、増殖性網膜症、乾癬、血友病関節炎、アテローム性動脈硬化症のプラークにおける毛細血管形成、ケロイド、創傷肉芽、血管接着、関節リウマチ、変形性骨関節炎、自己免疫疾患、クローン病、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、猫引っかき傷、潰瘍、肝硬変、腎炎、糖尿病性腎症、糖尿病、炎症性疾患および神経変性疾患からなる群より選択されるが、これらに限定されない。加えて、がんは、食道がん、胃がん、大腸がん、直腸がん、口腔がん、咽頭のがん(pharynx cancer)、咽頭がん(larynx cancer)、肺がん、結腸がん、乳がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、膀胱がん、腎がん、肝臓がん、膵臓がん、骨がん、結合組織がん、皮膚がん、脳がん、甲状腺がん、白血病、ホジキンリンパ腫、リンパ腫および多発性骨髄性血液がんからなる群より選択されるが、これらに限定されない。 [94] 本明細書で使用される用語「予防」は、本発明の抗体または組成物を投与することによって、目的の疾患の発症を阻止または遅延させる任意の作用を意味する。用語「処置または療法」は、本発明の抗体または組成物を投与することによって、目的の疾患の症状を改善または良くする任意の作用を示す。 [95] 本発明の抗体を含む組成物は、好ましくは医薬組成物であり、当分野で典型的に使用される適切なビヒクル、賦形剤または希釈剤を含んでよい。 [96] 薬学的に許容されるビヒクルを有する医薬組成物は、様々な経口または非経口剤形、例えば錠剤、ピル、粉末剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、経口溶液剤、エマルジョン剤、シロップ剤、滅菌水性液剤、非水性液剤、懸濁剤、凍結乾燥剤および坐剤であってよい。本発明の医薬組成物に関して、例えば充填剤、増粘剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの組合せで処方できる希釈剤または賦形剤であってよい。経口投与のための固体調製物は、錠剤、ピル、粉末剤、顆粒剤、カプセル剤およびその類似の剤の形態であってよい。結束に関連して、本発明の化合物は、1つまたは複数の賦形剤、例えばデンプン、炭酸カルシウム、ショ糖、ラクトースまたはゼラチンを組合せることによって処方することができる。単純な賦形剤および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルクおよびその類似物をさらに使用することができる。経口投与用の液体調製物は、懸濁剤、経口液剤、エマルジョン剤、シロップ剤またはその類似の剤であってよい。賦形剤、例えば水または湿ったパラフィンのような単純な希釈剤、様々な湿潤剤、甘味料、芳香剤、防腐剤などを液体製剤に含めることができる。加えて、本発明の医薬組成物は、非経口剤形、例えば滅菌水性液剤、非水性溶媒、懸濁剤、エマルジョン剤、凍結乾燥剤、坐剤などであってよい。注射可能なプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどのエステルは、不溶性の溶媒および懸濁剤に適している場合がある。坐剤の基本的な物質には、ウィテプソル、マクロゴール、トゥイーン61、カカオバター、ローリンバターおよびグリセロゼラチンが含まれる。 [97] 本発明の組成物は、薬学上の有効量で投与される。本明細書で使用される用語「薬学上の有効量」は、すべての医学的治療に適用できる適切な利益/リスク比を伴う、疾患治療に十分な医薬組成物の量を示す。有効量は、疾患の重症度、患者の年齢および性別、疾患の種類、薬物活性、薬物感受性、投与時間、投与経路、分泌速度、処置期間、薬物の同時投与などの様々なパラメーターを含む要因、および当分野で既知のその他の要因に依存して異なり得る。本発明の組成物は、単独でまたは他の治療と組合せて投与することができる。この場合、前記組成物は従来の療法を順次または同時に投与することができる。また、上記の組成物は、単回投与または複数回投与に分割して投与することができる。これらの要因を十分に考慮すれば、副作用なく最大の効果を得るのに十分な最小量を投与することが重要であり、その投与量は専門家によって容易に設定できる。本発明の医薬組成物の投与量は特に限定されないが、それは患者の健康状態および体重、疾患の重症度、薬の種類、投与経路および投与時間などの様々な要因に応じて変化する。前記組成物は、ラット、マウス、家畜、ヒトなどを含む哺乳動物に、典型的に許容される経路、例えば経口、直腸、静脈内、皮下、子宮内または脳血管内を介して、1日1回または複数回投与してよい。 [98] 他の観点から本発明は、前記抗体または前記組成物をその必要のある個体に投与する工程を含む血管新生疾患の予防方法または治療方法に関する。 [99] 本発明の方法は、血管新生の阻害の必要がある個体のために薬学上の有効投薬量の医薬組成物を投与するための手順を含む。その対象は、哺乳動物、例えばイヌ、ウシ、ウマ、ウサギ、マウス、ラット、ニワトリおよびヒトであるが、これらに限定されない。医薬組成物は、非経口的、皮下的、腹腔内、肺内または鼻腔内、および必要に応じて局所治療のために傷害内を含む適切な方法で投与することができる。本発明の医薬組成物の好ましい投与量は、個体の健康状態および体重、疾患の重症度、薬物の種類、投与の経路および時間を含む様々な要因に応じて変化し、そして、それは当業者によって容易に決定され得る。 [100] 他の態様では、本発明は、抗体および組成物を必要とする個体に前記組成物または前記抗体の手順を投与することを含むがん予防または処置方法、および前記抗体を含む、がん予防または処置のための組成物または医薬組成物に関する。 [101] がんは、それが本発明の抗体で処置可能である限り、限定されない。詳細には、本発明の抗体は、血管新生を阻害することにより、がんの発生または進行を防ぐことができる。がんの例には、食道がん、胃がん、大腸がん、直腸がん、口腔がん、咽頭のがん、咽頭がん、肺がん、結腸がん、乳がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、膀胱がん、腎がん、肝臓がん、膵臓がん、骨がん、結合組織がん、皮膚がん、脳がん、甲状腺がん、白血病、ホジキンリンパ腫、リンパ腫および多発性骨髄がん、血液のがんが含まれるが、これらに限定されない。 [102] 加えて、本発明の抗体は、他の抗体または生物学的に活性な薬剤または様々な目的のための材料と組合せて用いることができる。これに関して、本発明は、抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、血管新生疾患のための他の治療薬との併用投与のための組成物に関する。 [103] 血管新生疾患のための他の治療薬は、抗血管新生剤、抗炎症剤および/または抗がん剤を含む。これにより、相互の抵抗を克服し、効能を向上させることができる。 [104] 本発明による組成物において、血管新生疾患のための他の治療薬と組合せて投与される場合、Tie2抗体と血管新生疾患のための他の治療薬は順次または同時に投与されてよい。例えば抗血管新生剤、抗炎症剤および/または抗がん剤を標的の個体に投与した後に、Tie2に対する抗体またはその抗原結合フラグメントを有効成分として有する組成物を投与することができ、あるいは前記組成物を投与した後に、抗血管新生剤、抗炎症剤および/または抗がん剤を投与することができる。場合に応じて、前記組成物および抗血管新生剤、抗炎症剤および/または抗がん剤を標的個体に同時に投与することができる。 [105] [106]実施例 [107] 以下、本発明を、実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、単に、本発明を説明することを意図し、本発明を制限するものではない。 [108] [109] 実施例1. マウスモノクローナル抗Tie2抗体の調製 [110] 1.1 ヒトTie2を用いたマウス免疫 [111] ヒトTie2のIg3-FNIII(1-3)ドメイン(hTie2-Ig3-FNIII(1-3)、配列番号2)を免疫原としてCMVプロモーターを含むベクターにクローニングし、HEK293F細胞株へトランスフェクションすることにより一過性に発現させた。5日間のインキュベーション後に、発現した組換えhTie2-Ig3-FNIII(1-3)タンパク質を、プロテインAを用いたアフィニティーカラムで精製した。5週齢のBALB/cマウスを、アジュバントと混合した精製hTie2-Ig3-FNIII(1-3)(100μg/注射)を用いて、週2回6週間、免疫した。免疫化したマウスの血清中の抗Tie2抗体のタイターは、ヒトTie2(hTie2)ELISAキット(R&D)によって調べた。抗体のタイター(1:5,000希釈)が適切に増加した場合(OD>1.0)、その免疫したマウスから脾臓を摘出し、そこからBリンパ球を分離し、培養した骨髄腫細胞(SP2/0)と融合させた。その融合細胞を、ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含むHAT培地中で培養し、そこから骨髄腫細胞とBリンパ球の融合体のみからなるハイブリドーマ細胞を選択して培養した。生き残ったハイブリドーマ細胞を96ウェルプレートに播種し、その培養上清をhTie2ELISAにより試験した。クローン選択のために、陽性シグナルを示すハイブリドーマプールを限界希釈により選択した。最終的に、37個のモノクローナルハイブリドーマ系統を樹立した。その中から、いくつかのTie2結合抗体が、Tie2活性化作用を示した。候補抗体は、Tie2活性化レベルおよびヒトTie2に対する高い親和性に基づいて選択され、後にヒト化の処理を行った。 [112] [113]表1.ヒトTie2全長(hTie2)およびIg3-FNIII(1-3)配列 [114] [115] [116] 1.2 マウスモノクローナルTie2抗体の産生および精製 ELISA陽性シグナルに基づいて選択された抗Tie2抗体を産生するために、ハイブリドーマ細胞を、T75(75cm2面積)フラスコにて10%FBS含有DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)中で培養した。細胞のコンフルエンシーが約90%に達したときに、細胞をPBSで洗浄し、50mlの無血清培地(SFM、Gibco)を用いてインキュベートし、37℃で3日間培養した。次いで、各モノクローナルハイブリドーマから抗体が分泌された培地を回収し、遠心分離して細胞を除去し、その培養上清を回収して濾過した。次に、抗体を、プロテインGアフィニティーカラム(GEヘルスケア)を備えたAKTA精製装置(GEヘルスケア)を使用して精製した。遠心分離フィルターユニット(Amicon)を用いてその上清をPBSで置換することにより、精製抗体を濃縮した。 [118] [119] 1.3 アンタゴニストTie2抗体の同定およびスクリーニング [120] マウス抗Tie2抗体が内皮細胞におけるTie2受容体の下流シグナル伝達を誘導するかどうかを調べるために、HUVEC(Lonza)を抗Tie2抗体で処理し、次いで、Aktリン酸化のレベル、主要な下流シグナル伝達タンパク質であるTie2受容体を免疫ブロッティングにより分析した。陽性コントロールとして、COMP-Ang1(CA1)を細胞に処理した。 [121] 具体的には、HUVEC(1×105細胞/ml)を、60mm培養皿中でEGM-2培地(Lonza)にて37℃で培養した。90%コンフルエンシーの細胞を、血清飢餓のために、無血清EBM-2培地にて6時間インキュベートした。血清飢餓HUVECを抗Tie2抗体で処理し、さらに30分間インキュベートした。前記細胞を、冷PBSで洗浄し、溶解バッファーで処理し、4℃で20分間溶解した。次いで、細胞溶解物を、13000rpmで15分間の遠心分離によって調製した。5×SDSサンプルバッファーを加えることにより、細胞溶解物を調製し、細胞溶解物をSDS PAGEにかけ、タンパク質をニトロセルロースメンブレン(GE)に転写した。 [122] Aktリン酸化を調べるために、ブロットを5%スキムミルク含有TBS-Tを用いて室温(RT)にて1時間ブロックし、抗リン酸化Akt抗体(S473)とともに4℃にて約8時間インキュベートした。ホスホ-Aktのシグナルを、増強化学発光(ECL)により視覚化した。次いで、メンブレンを、ストリッピングバッファー(Thermo)で15分間インキュベートし、抗Akt抗体で再プローブして総Akt量を測定した。S473でのAktリン酸化が、11C4、4A4、3B2、3E12および3H7などの抗Tie2抗体を用いて処理した幾つかの群において強く誘導された(図1)。 [123] [124] 1.4.オクテット分析によるhTie2に対する抗Tie2抗体の親和性測定 [125] hTie2に対するマウスモノクローナル抗体の親和性を、ブラック96ウェルプレート(96ウェルF型ブラックプレート、Greiner)を用いたOctetシステム(ForteBio)を使用して測定した。親和性測定に使用するバイオセンサーを、AR2Gチップ(ForteBio Octet)を用いた測定前に10分間、水和させた。水和後、hTie2を10mM 酢酸ナトリウム、pH6.0バッファーで10μg/mlの濃度に希釈し、AR2Gバイオセンサーに固定し、1M エタノールアミンでブロックした。マウスモノクローナル抗Tie2抗体を、1×キネティックバッファーで50、25、12.5、6.25、3.125および0nMに希釈し、300秒間の会合と、900秒間の解離を行った。親和性測定(KD)のために、結合速度(K-on)および解離速度(K-off)を結合曲線(グローバル)により分析し、Octetデータ分析v9.0.0.10プログラムを用いて1:1結合モデルに対してフィッティングした。マウス抗Tie2抗体の親和性を表2に示す。 [126] [127]表2.マウス抗Tie2抗体のhTie2への親和性 [128] [129] 1.5.マウスTie2抗体3H7によって誘導されたTie2リン酸化 本発明において開発された抗Tie2抗体は、Tie2クラスタリングに結合して誘導し、最終的にTie2活性化を誘発することを示す。実験を行い、HUVECを使用してTie2リン酸化に対する抗Tie2抗体の効果を分析した。 [131] 具体的には、HUVEC(Lonza)を、100mm培養皿中のEGM-2(Lonza)にて37℃および5%CO2濃度で培養した。80~90%のコンフルエンシーにて、細胞を血清飢餓のためにEBM-2(Lonza)培地に6時間交換した。培養した細胞に対して、様々な濃度(0.02μg/ml~50μg/ml)の抗Tie2抗体を処理し、さらに30分間インキュベートした。前記細胞を冷PBSで2回洗浄し、1000μlの溶解緩衝液(10mM Tris-Cl pH7.4、150mM NaCl、5mM EDTA、10%グリセロール、1%TritonX-100、プロテアーゼ阻害剤、ホスファターゼ阻害剤)を用いて溶解し、次いで、4℃で60分間インキュベートした。細胞抽出物を調製し、12,000rpmで10分間遠心分離した。その上清中のタンパク質濃度をBCAアッセイで定量した。 [132] Tie2免疫沈降のために、1μgのTie2抗体(R&Dシステム、AF313)を0.5mgのライセートに添加し、振盪しながら4℃で一晩インキュベートした。次いで、Dynabeads(登録商標)ProteinG(Life Technologies)を追加して2時間反応させた。前記ビーズを、磁石を用いてチューブの片側に固定し、溶解バッファーで3回洗浄した後、還元剤を含む2×SDSサンプルバッファーとともに70℃で10分間インキュベートした。前記ビーズを、サンプルから取り出し、4~15%SDSプロテインゲル(Bio-Rad)にて電気泳動した後、0.45μmPVDFメンブレンに転写した。 [133] メンブレンを5%(v/v)BSAと混合したTBS-Tを用いて室温にて1時間ブロックし、抗ホスホチロシン抗体(4G10、ミリポア)とともに4℃にて8時間インキュベートした後、HRP標識化抗マウス抗体のインキュベーション、それに続いてウエスタンブロッティング分析をした。免疫沈降したTie2の量を測定するために、メンブレンをストリッピングバッファー(Thermo)中で15分間反応させ、次いで、再度ブロックし、抗Tie2抗体(R&Dシステム、AF313)で再プローブした。図2で示されるように、抗Tie2抗体3H7をHUVEC細胞に添加した場合、Tie2のリン酸化が用量依存的に強く誘導された。これらのデータは、抗Tie2抗体3H7がヒト内皮細胞におけるTie2受容体の活性化を直接誘導することを示す。 [134] [135] 1.6.Tie2抗体(3H7)によるHUVECにおけるクラスター化Tie2エンドサイトーシスおよびFOXO1移行 [136] Tie2局在化および核から細胞質ゾルへのFOXO1移行に対する3H7の効果を、HUVECにて免疫蛍光法によって調べた。具体的には、HUVECを8ウェルスライドチャンバー(Lab-TekII)に播種し、EGM-2培地中で2~3日間維持した。100%コンフルエンスにて、細胞を4時間のEBM-2培地にて血清飢餓にし、1μg/mlの抗Tie2抗体3H7を用いて30分間処理した。その後、細胞を、PBS中4%ホルムアルデヒドを用いて室温(RT)にて10分間固定し、PBS中0.1%TritonX-100で透過処理を行い、PBS中1%BSAを用いてRTにて60分間ブロックし、一次抗体とともにRTにて1時間インキュベートした。hTie2およびFOXO1用の一次抗体を用いた。次に、細胞を、暗所にて室温で1時間二次抗体(Invitrogen社)とともにインキュベートし、DAPIを含むVectashield封入剤(VectorLabs)を用いて封入した。画像を、レーザー走査型共焦点顕微鏡(LSM880、Carl Zeiss社)を用いて撮影した。 [137] 図3で示されるように、3H7処置は、Tie2のクラスター化および活性化を誘導することが知られているコントロールAng2抗体(Han等、2016,Science Translation Medicine)と同様に、Tie2エンドサイトーシスを著しく誘導した。FOXO1がリン酸化後に細胞質に局在することを示す既報(Zhang等、JBC 2002,277,45276-45284)と一致して、FOXO1は基本となる血清飢餓状態では核内に局在したが、3H7処置により、FOXO1は血清飢餓のコントロール(赤)と比較して核内から明らかに消失した。 [138] [139] 1.7.HUVECにおいて抗Tie2抗体3H7を処理した場合のVEGFまたはTNF-αにより誘発される血管浸透性の阻害。 [140] 血管漏出アッセイは、インビトロ血管浸透性アッセイキット(Millipore社)を用い、その製造元の指示に従って、HUVECにて実施した。HUVECをトランスウェルプレートのインサートに播種し、100%コンフルエンスになるまで3日間培養した。HUVECをAng2(1μg/ml)、Ang2(1μg/ml)と、コントロール抗体(1μg/ml)とともに、または3H7抗体(1μg/ml)のみと30分間プレインキュベートし、次いで、VEGF(500ng/ml)またはTNF-a(100ng/ml)を添加し、細胞を37℃でそれぞれ45分または22時間インキュベートした。FITC-デキストランを上部チャンバーに加え、20分間インキュベートした。HUVEC単層を越えるFITC-デキストランの通過を、それぞれ485および535nmの励起波長および発光波長で蛍光リーダーによって測定した。図4で示されるように、抗Tie2抗体3H7の前処理は、血管漏出促進因子VEGFまたはTNF-aによって誘発される血管漏出を有意に抑制した。 「141] [142] 実施例2.マウス抗Tie2抗体のDNA遺伝子配列分析 [143] 実施例1.3で選択された(ハイブリドーマ細胞に由来する)抗体のDNAヌクレオチド配列を分析した。具体的には、ハイブリドーマ細胞(2×106細胞/ml)を10%FBS含有DMEM中で培養し、次いで、RNeasyミニキット(Qiagen社)を用いて全RNAを得た。次に、RNA濃度を測定し、cDNAを逆転写(RT)反応により合成した。重鎖および軽鎖可変領域の遺伝子配列を増幅するために、上記のcDNAをテンプレートとして用い、マウスIgプライマーセット(Novagen社)を使用して、以下の条件下でPCRを実施した: 94℃で5分;[94℃で1分、50℃で1分、72℃で2分]×35サイクル;72℃で6分;4℃に冷却。各反応で得られたPCR産物をTAベクターにクローニングし、DNAシーケンシングにかけ、それにより、各抗体のCDR、重鎖可変領域および軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を得た(表3~表12)。 [144] [145]表3.マウス抗Tie2抗体3B2のCDR配列 [146] [147]表4.マウス抗Tie2抗体3B2の可変領域配列 [148] [149]表5.マウス抗Tie2抗体3E12のCDR配列 [150] [151]表6.マウス抗Tie2抗体3E12の可変領域配列 [152] [153]表7.マウス抗Tie2抗体3H7のCDR配列 [154] [155]表8.マウス抗Tie2抗体3H7の可変領域配列 [156] [157]表9.マウス抗Tie2抗体4A4のCDR配列 [158] [159]表10.マウス抗Tie2抗体4A4の可変領域配列 [160] [161]表11.マウス抗Tie2抗体11C4のCDR配列 [162] [163]表12.マウス抗Tie2抗体11C4の可変領域配列 [164] [165]実施例3.hTie2に対するマウス抗Tie2抗体のエピトープマッピング [166] マウスモノクローナル抗体3H7によって認識されるhTie2の抗原決定基(エピトープ)を、HDX-MS(水素/重水素交換質量分析)技術によって分析した。HDX-MS分析方法は次の文献に記載されている:HoudeD,Engen JR(2013)Methods Mol.Biol.988:269-89およびHoude等、(2011)J.Pharm.Sci.100(6),2071. [167] 組換えhTie2-Ig3-FNIII(1-3)タンパク質を使用して、抗体3H7の結合エピトープを分析した。重水素標識反応の前に、hTie2-Ig3-FNIII(1-3)/抗体混合物を3時間以上インキュベートして、15倍希釈した重水素標識バッファー(KD=25nM)下で最大結合(100%)に維持した。調製したhTie2-Ig3-FNIII(1-3)/抗体複合体を、重水素標識バッファーを用いて15倍に希釈し、様々な時間に標識し、次いで、同量のクエンチングバッファーを用いてクエンチした。標識反応時間は、0分(非重水素)、0.33分、10分、60分および240分であった。しかしながら、非重水素状態では、重水素標識バッファーを平衡バッファーと交換し、反応はクエンチングバッファーを用いて直ちに停止させた。質量分析では、重水素標識化hTie2-Ig3-FNIII(1-3)/抗体サンプルをペプシンカラムにロードし、ペプチド消化を行った。質量分析は82.6%のカバレッジ・データが合計50個の消化性ペプチドから得られることを示した。 [168] hTie2-Ig3-FNIII(1-3)単独とhTie2-Ig3-FNIII(1-3)/抗体複合体条件との間での重水素取り込みの違いを比較分析し、重水素取り込みで明確な減少を示す領域は、前記抗体が直接的に結合するペプチドか、または構造的に変化した領域のいずれかである。hTie2-Ig3-FNIII(1-3)単独とhTie2-Ig3-FNIII(1-3)/抗体複合体との間の重水素取り込み差が0.5~1Da以上の場合、有意と見做され、表13では太字で示される。 [169] H/D交換質量分析のデータ(図5)を用いて、hTie2抗原の0.333、10、60および240分での残基あたりの重水素取り込みのヒートマップを、抗Tie2抗体3H7の非存在下または存在下で作成した。カラースケールは、各時間での抗原単独と抗原/mAb混合物との間の残基あたりのH/D交換のパーセンテージを示す。赤色は重水素交換が増加している領域を示し、青色は取り込みがないことを示す。重水素取り込み差のヒートマップ分析は、抗体3H7が結合するエピトープがhTie2の残基633~644(配列番号1、TLSDILPPQPEN)および残基713~726(配列番号1、FAENNIGSSNPAFS)であることを示した(表13)。エピトープを、PyMolソフトウェアを使用して生成されたhTie2-FNIIIの3D構造上に赤色で示した(図6)。 [170] [171]表13.HDX-MSによるhTie2への3H7結合のエピトープマッピング分析 [172] [173] [174]実施例4.マウス抗Tie2抗体のヒト化および全長IgG変換 [175] ヒトに投与した場合のマウス抗Tie2抗体3H7の免疫原性を排除するために、前記抗体を以下のようにヒト化した。 [176] 4.1.重鎖のヒト化 ヒト抗体重鎖可変遺伝子であるIGHV1-46-01は、抗体3H7の重鎖配列と66%の相同性を示した。これらの分析に基づいて、3H7抗体の3つのCDR領域をヒト抗体重鎖可変遺伝子IGHV1-46-01にグラフト化した。このプロセスでは、2つのヒト化重鎖抗体遺伝子を設計した(表14)。グラフト化CDRは、タンパク質配列中では下線が付されている。マウス配列への逆突然変異を、ヒト化3H7の重鎖遺伝子に導入し、表14のタンパク質配列では太字で示す。 [178] [179]4.2 軽鎖のヒト化 [180] ヒト抗体軽鎖可変遺伝子であるIGKV1-17-01は、抗体3H7の軽鎖配列と68%の相同性を示した。これらの分析に基づいて、3H7抗体の3つのCDR領域をヒト抗体軽鎖可変遺伝子IGKV1-17-01にグラフト化した。このプロセスでは、2つのヒト化軽鎖抗体遺伝子を設計した(表14)。グラフト化CDRは、タンパク質配列中では下線が付されている。マウス配列への逆突然変異を、ヒト化3H7の軽鎖遺伝子に導入し、表14のタンパク質配列では太字で示す。 [181] [182]4.3.ヒト化遺伝子合成およびヒト全長IgG抗体へのクローニング [183] 表14の抗体のヒト化可変領域を、ヒトIgG4アイソタイプバックボーンベクターの重鎖および軽鎖ベクターにクローニングした。抗体のヒト化重鎖可変領域(VH)のDNA断片を「EcoRI-シグナル配列-VH-NheI-CH-XhoI」の配列として合成した(Bioneer社)。抗体のヒト化軽鎖可変領域(VL)のDNA断片も「EcoRI-シグナル配列-VL-BsiWI-CL-XhoI」の配列として合成した。重鎖および軽鎖をコードするDNA断片を、それぞれpOptiVEC(登録商標)またはpcDNA(登録商標)3.3ベクターにクローニングした。 [184]表14.マウス3H7抗体に由来するヒト化抗Tie2抗体 [185] [186] [187] [188] [189]4.4.ヒト化抗Tie2抗体の産生および精製 [190] ヒト化抗Tie2抗体を産生するために、組換えタンパク質を高効率で産生することができるExpi293F(Gibco)細胞を用いた。Expi293F細胞(2×106細胞/ml)を三角フラスコ中で培養し、重鎖および軽鎖をコードするプラスミドを、ExpiFectamine293トランスフェクションキットを用いてExpi293F細胞にコトランスフェクトした。細胞を、37℃にて8%CO2下で振盪インキュベーター(オービタルシェーカー、125rpm)にて5日間培養した。得られた培地を回収し、遠心分離して細胞を除去した。分泌された抗体を含む培養上清を単離し、4℃で保存するか、またはアフィニティーカラム(プロテインAアガロースカラム、GEヘルスケア)を備えたAKTA精製システム(GEヘルスケア)を用いて直ちに精製した。精製した抗体を、タンパク質遠心フィルター(Amicon)に通じることにより濃縮しつつ、溶液をPBSに交換した。 [191] [192]実施例5.hTie2に対するヒト化抗Tie2抗体の親和性測定 [193] hTie2に対するヒト化抗Tie2抗体の親和性を、ブラック96ウェルプレート(96ウェルF型ブラックプレート、Greiner)を用いたオクテットシステム(ForteBio)を使用して測定した。親和性測定に使用されるバイオセンサーを、AR2Gチップ(ForteBio Octet)を用いた測定の前に、10分間水和させた。水和後、ヒト化抗Tie2抗体を、10mM 酢酸ナトリウム、pH6.0バッファー中に濃度10μg/mlに希釈し、AR2Gバイオセンサー上に固定し、1M エタノールアミンを用いてブロックした。組換えhTie2を、1×キネティックバッファーを用いて50、25、12.5、6.25、3.125および0nMに希釈し、300秒間の会合および900秒間の解離にかけた。親和性測定(KD)のために、結合速度(K-on)および解離速度(K-off)を結合曲線(グローバル)により分析し、Octetデータ分析v9.0.0.10プログラムを用いて1:1結合モデルに対してフィッティングした。KD値を、下記表15に示した。 [194] [195]表15.hTie2-Ig3-FNIII(1-3)に対するヒト化3H7抗体の親和性 [196] [197]実施例6.選択されたヒト化抗Tie2抗体のインビトロ生物学的特性の分析 [198] 6.1.Aktリン酸化 [199] ヒト化抗Tie2抗体が内皮細胞におけるTie2受容体の下流シグナル伝達を誘導するかどうかを調べるために、HUVEC(Lonza)を、ヒト化抗Tie2抗体を用いて処理した。次に、Tie2受容体の主要な下流シグナル伝達タンパク質であるAktリン酸化のレベルをイムノブロッティングにより測定した。Akt活性化の程度を比較するために、実験では細胞を、陽性コントロールとしてCOMP-Ang1(CA1)を用いて処理した。具体的には、HUVEC細胞(1×105細胞/ml)を60mm培養皿においてEGM-2(Lonza)中で37°Cにて培養した。90%コンフルエンシーの細胞をEBM-2(Lonza)とともに4時間インキュベートした。血清飢餓HUVECを、抗Tie2抗体を用いて処理し、さらに30分間インキュベートした。細胞を冷PBSで洗浄し、溶解バッファーで処理し、4℃で20分間溶解した。次に、細胞溶解物を、13000rpmで15分間の遠心分離によって調製した。5×SDSサンプルバッファーを前記細胞溶解物に加え、その混合物を95℃で5分間ボイルした。次に、前記混合物をSDS-PAGEに供し、続いてウエスタンブロッティングに供した。 [200] Aktのリン酸化を調べるために、メンブレンを、5%スキムミルク含有TBSTを用いてRTにて1時間ブロックし、抗リン酸化Akt抗体(S473)とともに4℃にて約8時間インキュベートした。リン酸化Aktの量を、増強化学発光(ECL)により視覚化した。次に、前記メンブレンを、ストリッピングバッファー(Thermo)中で15分間インキュベートし、次いで、抗Akt抗体で再プローブし、Aktの全量を測定した。 [201] 図7に示されるように、Aktリン酸化は、ヒト化3H7抗体処理によって著しく増加した。これらのデータは、ヒト化抗Tie2抗体が、内皮細胞におけるTie2受容体の主要な下流シグナル伝達分子であるAktの活性化を強力に誘導できることを示す。 [202] [203]実施例7.原発性解放角緑内障マウスモデルにおける3H7H12G4の効果。 [204] 3H7H12G4によるTie2の活性化が退行したSC(シュレム管)およびより低いIOP(眼圧)をレスキューできるかどうかを試験するために、原発性解放角緑内障マウスモデルを用いた。該モデルは、アンジオポエチン-1および-2遺伝子の両方の誘導性欠失のために、タモキシフェンを8週齢の二重アンジオポエチン-1/アンジオポエチン-2欠損(A1:A2iΔ/Δ)マウスに投与することによって作製された(図8A)。3H7H12G4(~5μg、片眼)およびFc(~5μg、反対側の眼)の眼内投与は、12週齢にて実施した(図8A)。指示された試薬を硝子体内投与するために、各試薬5μgを含む~1μl(5mg/ml)を、ガラスキャピラリーピペットを備えたNanoliter2000マイクロインジェクター(World Precision Instruments)を用いて、硝子体内腔に注入した。IOP測定を、12週、13週および14週にリバウンド・トノメーター(TonoLab)を用いて実行した(図8A)。IOPは、マウスに麻酔をかけた直後に、圧力センサーの先端を角膜中央から約1/8インチのところに置くことによって測定した。5回の連続したIOP測定のデジタル読み出し情報はトノメーターから取得した。野生型マウスでは、IOPは、3H7H12G4で処置した眼とFcで処置した眼との間に差異はない(図8C)。他方、A1:A2iΔ/Δマウスでは、IOPが、3H7H12G4で処置した眼においてFcで処置した眼と比較して25.6%有意に減少したことを示した(図8D)。CD144+SC面積と、CD144+SCでのProx1およびTie2免疫染色の強度とを、3H7H12G4投与の2週間後に測定した。抗CD144抗体(1:200、BD Biosciences)、抗Prox1抗体(1:200、ReliaTech)および抗Tie2抗体(1:200、R&Dシステム)を用いた。マウントされた角膜全体のCD144+SC面積は、CD144+面積をそのコントロールの面積で割ったパーセンテージとして計算した。A1:A2iΔ/Δマウスでは、SC領域が、3H7H12G4処置眼においてFc処置眼と比較して114.8%有意に増加したことを示した(図8B、E)。Prox1の相対的な発現を定量化するために、CD144+SCの核領域における強度を測定した。A1:A2iΔ/Δマウスでは、Prox1強度が、3H7H12G4処置眼においてFc処置眼と比較して88.4%有意に増加したことを示した(図8B、F)。Tie2の発現を定量化するために、強度をCD144+SC領域にて測定した。A1:A2iΔ/Δマウスでは、Tie2強度が、3H7H12G4処置眼においてFc処置眼と比較して63.0%有意に増加したことを示した(図8B、F)。全体として、これらの知見は、3H7H12G4によるTie2の活性化が、A1:A2iΔ/Δマウスの障害のあるSCをレスキューすることを示す。 [205] [206]実施例8.レーザー誘導CNVモデルにおける硝子体内注射した3H7H12G4によるCNV退行および血管漏出抑制。 [207] 3H7H12G4を、レーザー誘導脈絡膜血管新生(CNV)モデルを用いて、加齢性黄斑変性症(AMD)の特徴である脈絡膜血管新生(CNV)を阻害する能力について試験した。5mg/mlフェニレフリンおよび5mg/mlトロピカミド点眼薬(Santen Pharmaceutical)を用いて瞳孔を拡張し、局所麻酔のために0.5%塩酸プロパラカイン点眼薬(Alcon)を点眼した後、スリットランプ送達システムを備えたレーザー光凝固装置(Lumenis社)を、コンタクトレンズとしてのガラスカバースリップとともに用いて、網膜を視覚化した。十分なレーザーエネルギー(532nmの波長、250mWの出力、100msの持続時間、50μmのスポットサイズ)を、各眼につき4つ位置所(後極の3時、6時、9時および12時の位置)に送った。レーザー光硬化時に気泡を発生させ、ブルッフ膜の破裂を示す火傷だけをこの研究に含めた。レーザー部位に出血を含むスポットは分析から除外した。臨床状況を要約するために、3H7H12G4(5μg)をレーザー光硬化の7日後にマウスに硝子体内投与した(図9A)。コントロールまたは比較として、FcまたはVEGF-Trap(各5μg)を同じ方法でマウスに投与した。所定の試薬を硝子体内投与するために、ガラスキャピラリーピペットを備えたナノリッター2000マイクロインジェクター(World Precision Instruments)を用いて、各試薬5μgを含む約1μl(5mg/ml)を硝子体内腔に注入した。網膜色素上皮(RPE)-脈絡膜-強膜フラットマウントのCD31+CNV体積を、レーザー光硬化の14日後に、MATLAB画像処理ツールボックス(MathWorks)を用いて計算した。抗CD31抗体(1:200、ミリポア)をCNVの内皮細胞の検出のために用いた。VEGF-Trapは、Fcと比較して64.4%までCNV退行を効果的に誘発し、3H7H12G4は同様にCNV退行を誘発した(65.7%)(図9B)。フルオレセイン血管造影(FA)とインドシアニングリーン血管造影(ICGA)とを組合せることで、レーザー損傷部位周辺での新生血管の血管漏出を測定することが可能となった。488nmおよび785nmの連続波レーザーモジュールを、それぞれフルオレセインおよびICGの励起源として用いた。励起レーザーのラスタ走査パターンは、回転ポリゴンミラー(MC-5;Lincoln Laser)およびガルバノメーターベースのスキャンミラー(6230H;Cambridge technology)で構成されるスキャナーシステムによって実行され、イメージングレンズのバック開口部に送られた。高い開口数(NA)の対物レンズ(PlanApoλ、NA0.75;Nikon)をイメージングレンズとして使用し、広視野眼底蛍光画像を提供した。光電子増倍管(R9110;浜松ホトニクス)で検出された蛍光シグナルは、フレームグラバーによりデジタル化され、フレームあたり512×512ピクセルサイズの画像にリアルタイムで再構成された。血管造影システムを利用した後期(6分)のFAおよびICGA画像を視覚化するために、10mgのフルオレセインナトリウム(Alcon)および0.15mgのICG(Daiichi Pharmaceutical)をそれぞれ腹腔内および静脈内に投与した。イメージング手順は、画像の品質を向上させるために全身麻酔および瞳孔拡張のもとで実行した。CNVからの漏出面積は、Javaベースのイメージングソフトウェア(ImajeJ;National Institutes of Health)を用い、FA画像にて測定された高蛍光面積の合計をICGA画像にて測定されたCNVの総面積で割ることで計算した。Fcと比較して、VEGF-Trap(37.0%)および3H7H12G4(24.6%)の両方が同様に血管漏出を抑制した(図9C)。注目すべきことに、Fc処置群ではレーザー光硬化後6日から14日の間で血管漏出に有意な差はなかったが、VEGF-Trapおよび3H7H12G4では血管脱出が著しく減少した(それぞれ45.6%および42.5%)(図9C)。したがって、CNVおよび血管漏出の抑制の大きさは、レーザー誘導CNVのマウスモデルでは、VEGF-Trapと3H7H12G4との間で定量的に区別できなかった。 [208] [209]実施例9.CNVの内皮細胞における3H7H12G4およびCD31の共局在。 [210] 皮下注射された3H7H12G4がCNVに対しても治療効果を発揮できるかどうかを調べるために、我々はまず、CNVの内皮細胞における3H7H12G4とCD31の共局在を評価した。3H7H12G4(25mg/kg)の皮下投与は、レーザー光硬化の1日後に行った。コントロールとして、Fc(25mg/kg)を同じ方法でマウスに投与した。CNVの内皮細胞における3H7H12G4と抗CD31抗体(1:200、ミリポア)の共局在を、レーザー光硬化の2日、4日および8日後に抗ヒトIgG抗体(1:1000、Jackson ImmunoResearch Laboratories)により直接検出した(図10A)。投与された3H7H12G4は、CD31+内皮細胞CNVで高度に検出可能であった(図10B-D)。 [211] [212]実施例10.皮下注射された3H7H12G4抗体のCNV阻害効果。 [213] CNV阻害における皮下注射された3H7H12G4の効果を決定するために、3H7H12G4(25mg/kg)の皮下投与をレーザー光硬化の1日後に行った。コントロールとして、Fc(25mg/kg)を同じ方法でマウスに投与した。CNVの内皮細胞の検出のために抗CD31抗体(1:200、Millipore)を用い、レーザー光硬化の8日後にMATLAB画像処理ツールボックス(MathWorks)を使用してRPE-脈絡膜-強膜フラットマウントのCD31+CNV体積を計算した(図11A)。3H7H12G4はFcと比較してCNV形成を69.9%まで効果的に阻害し(図11B、C)、これは3H7H12G4の硝子体内注射だけでなく皮下注射でもCNVに対して阻害効果があることを示す。 [214] 産業上の利用可能性 [215] 本発明に係るTie2に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、高い親和性でもってTie2に結合し、ヒトおよびマウスに対する交差反応性を維持し、および所望の抗原反応性を示す。加えて、Tie2のリン酸化およびTie2受容体の活性化を誘導することによって、目的の血管新生疾患を予防または処置するために有用に用いることができる。 [216] [217] これまで、本発明の内容の特定の部分を詳細に説明してきたが、これらの特定の技術は単なる好ましい実施形態であることは当業者には明らかであろう、したがって、本発明の範囲は、これらの実施形態に限定されない。 本開示は、例えば、以下に関する。 [1] 配列番号2を含むTie2 Ig3-FNIII(1-3)ドメインに結合する、抗Tie2抗体またはその抗原結合フラグメント。 [2] 前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、配列番号1の配列を構成するTie2のアミノ酸633~644および/またはアミノ酸713~726に結合する、前記[1]に記載の方法。 [3] 前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、 配列番号3~5のアミノ酸配列を含む重鎖CDRを含む重鎖可変領域および配列番号6~8のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域; 配列番号13~15のアミノ酸配列を含む重鎖CDRを含む重鎖可変領域および配列番号16~18のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域; 配列番号23~25のアミノ酸配列を含む重鎖CDRを含む重鎖可変領域および配列番号26~28のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域; 配列番号33~35のアミノ酸配列を含む重鎖CDRを含む重鎖可変領域および配列番号36~38のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域;または 配列番号43~45のアミノ酸配列を含む重鎖CDRを含む重鎖可変領域および配列番号46~48のアミノ酸配列を含む軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域 を含む、前記[1]に記載の方法。 [4] 前記抗体またはその抗原結合フラグメントが、 配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号11のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; 配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号21のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; 配列番号29のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号31のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; 配列番号39のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号41のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; 配列番号49のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号51のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; 配列番号53のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号54のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; 配列番号57のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号58のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; 配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号62のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域; 配列番号65のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域 を含む、前記[1]に記載の方法。 [5] 前記[1]~[4]のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする核酸。 [6] 前記核酸が、配列番号10、12、20、22、30、32、40、42、50、52、55、56、59、60、63、64、67または68を含むことを特徴とする、前記[5]に記載の方法。 [7] 前記[5]の核酸を含む発現ベクター。 [8] 前記[7]の発現ベクターを用いて形質転換された細胞。 [9] Tie2に結合する抗体または抗原結合フラグメントを製造する方法であって、 (a)前記[8]の細胞の培養プロセス;および (b)培養細胞からの抗体またはその抗原結合フラグメントの回収プロセスを含む、方法。 [10] 前記[1]~[4]のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを有効成分として含む、血管新生疾患を予防または処置するための組成物。 [11] 組成物が以下を特徴とする、前記[10]に記載の方法: 血管新生疾患が、がん、転移、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、角膜移植片拒絶、黄斑変性症、血管新生緑内障、全身性紅皮症、増殖性網膜症、乾癬、血友病関節炎、関連硬化症、アテローム性動脈硬化症プラークの毛細血管形成、ケロイド、創傷肉芽、血管接着、関節リウマチ、骨関節炎、自己免疫疾患、クローン病、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、間接リウマチ、猫引っかき傷、潰瘍、肝硬変、腎炎、糖尿病性腎症、糖尿病、炎症性疾患、および神経変性疾患からなる群より選択される。 [12] 組成物が以下を特徴とする、前記[11]に記載の方法: がんが、食道がん、胃がん、大腸がん、直腸がん、口腔がん、咽頭のがん、喉頭がん、肺がん、結腸がん、乳がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、膀胱がん、腎がん、肝がん、膵臓がん、骨がん、結合組織がん、皮膚がん、脳がん、甲状腺がん、白血病、ホジキンリンパ腫、リンパ腫、および多発性骨髄性血液がんからなる群より選択される。 [13] 前記[1]~[4]のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、血管新生疾患用の他の治療薬との併用治療のための組成物。 [218] [219]
| 특허 상태 | 등록 |
| 출원인 | 기초과학연구원, 한국과학기술원 |
| 발명자 | コ・グヨン, ペ・チョミル, キム・ジェリョン |
| 출원번호 | 2020567832 |
| 출원일 | 2019.06.05 |
| 등록번호 | 7390317B |
| 등록일 | 2023.12.01 |
| 중요 키워드 | cancerantibodyseqamino acidacid sequence |
| 출원번호 | 출원일 |
| 202418667700 | 2024.05.17 |
| 종류코드 | |
| A1 | |
| 외부 링크 | |
| 출원번호 | 출원일 |
| 2023150164 | 2023.09.15 |
| 종류코드 | |
| B2 | |
| 외부 링크 | |
| 출원번호 | 출원일 |
| 202017111413 | 2020.12.03 |
| 종류코드 | |
| B2 | |
| 외부 링크 | |
| 출원번호 | 출원일 |
| 1020190066622 | 2019.06.05 |
| 종류코드 | |
| A | |
| 외부 링크 | |
| 출원번호 | 출원일 |
| 2019283520 | 2019.06.05 |
| 종류코드 | |
| A1 | |
| 외부 링크 | |
| 출원번호 | 출원일 |
| 3101506 | 2019.06.05 |
| 종류코드 | |
| A1 | |
| 외부 링크 | |
| 출원번호 | 출원일 |
| 201980038199 | 2019.06.05 |
| 종류코드 | |
| B | |
| 외부 링크 | |
| 출원번호 | 출원일 |
| 19814472 | 2019.06.05 |
| 종류코드 | |
| A4 | |
| 외부 링크 | |
| 출원번호 | 출원일 |
| 25173861 | 2019.06.05 |
| 종류코드 | |
| A3 | |
| 외부 링크 | |